古澤慎之介
"コロナの終息"は幻想か。改めてニューノーマルの社会での自社の勝機を考えよう。
1年前の2020年の夏は、何か根拠があったわけではないですが、1年後には収まっているだろうと漠然と考えていた、しかし全くと言っていいほど、昨年と変わらぬ現状に、正直落胆しています。
私もこの1年「コロナが終わったら飲み行こうね」と、何度口にしたかわかりません。しかし最近は「コロナが終わったら」という枕詞は、いつも何かを先延ばしにしている人の「いつかやる」という言葉くらい現実味がないような気がしています。
コロナの完全終息を心から願っているが、今の段階では、新型コロナウイルスは完全に終息することはないのではと思っています。今まで通りマスクや手洗い、消毒などの予防をしっかりしつつ、ワクチンで重症化を防ぎ、特効薬が出てくるのを待ち、特効薬が出てきたとしても、インフルエンザ同様、ウイルスの蔓延は続き、インフルエンザワクチンのように、希望者は毎年ワクチン摂取するという世界をイメージしています。
完全終息するという理想的なアフターコロナのシナリオが幻想なのであれば、やはり、その環境下で世の中がどうなっていくのかを考え、柔軟に対応していくという意識を持っておく必要があるでしょう。

国境をまたぐ人の移動は必要最低限のまま、ほぼ変わらない。
どこかの国がコロナを封じ込めたとしても、世界的に完全終息しない限り、入国制限はせざるを得ないので、よほど世界でコロナがほぼ無くなるという状態か、どこでも簡単に特効薬が手に入る状態になるまでは、国境をまたいだ人の移動は必要最低限のもののままになってしまうかもしれません。デルタ株完全対応のワクチンが普及してきたときの情勢がどうなっているかを注視しておきたいところです。
航空や旅行業は海外については、壊滅的と言わざるを得ませんが、その分、国内旅行の新たなニーズ創出や富裕層向けの高級国内旅行などは逆に活性化するチャンスもあると見ています。今改めて、日本人が日本の良いところに目を向ける(向けさせる)よいタイミングかもしれません。地域の価値創出などでは今はチャンスでしかありません。
外食産業は予防措置をとりながら通常営業へ踏み出すお店が増える。
コロナの影響をもっとも受けている業界の一つとして、外食産業があります。協力金などでの対応にも限界があり、これ以上続くとなると、緊急事態宣言や蔓延防止が適用されている中でも、通常営業する店が続出するとみています。しかし、通常営業をしても、お客さん側の意識の変化がついて来ず、厳しい状況は続くでしょう。各エリアの環境に合わせた対策を常に打ち出していく必要があるでしょう。
消費者の飲食への行動も、Uberなどのデリバリーの利用や、テイクアウト、自炊などにシフトしている人も多く、そういった消費者のニーズの変化に対してどう対応するか、また、感染リスクを考えるユーザーをどう店舗に呼び込むかなど、消費行動の変化に柔軟に対応していくことが求められるでしょう。
当然外食産業に打撃があるということは、そこに食品を供給している生産者や卸業者なども影響があり、これも新たなニーズに合わせて価値創出が求められますが、どういうプロセスを経て消費者の胃袋に入るのかということだけが変化しているわけですから、それにどう合わせていくかという視点が必要になるかもしれません。
自社の勝機を見つけるため、社会の変化、顧客の変化に着目しよう。
コロナはさまざまな業界に大きな影響を与え、私たちの生活スタイルにも大きな影響を与えました。しかし、こういう変化こそ機会だと捉えられるかどうかが、何よりも大事です。現状に不満を言っているだけでは何も始まりません、変化とともに衰退していくだけになります。
破壊と創造はいつもセットです。顧客の小さな変化、社会の小さな変化に敏感になり、何か違和感を感じたらすぐにやってみる、やってみてダメなところは即座に修正していくというくらいのスピード感で行動していきましょう。
既存ビジネスの勝機と、新しい商機、どちらもコロナにおける変化は機会でしかありません。まずは、社会の変化や顧客の変化を俯瞰することから始めていきましょう。
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