• 古澤慎之介

「正論バカ」がモテない売れない愛されない理由。一般的な合理性と個々の合理性は別物というお話。



 コミュニケーション力を「おしゃべり上手」「トーク上手」と勘違いをしているビジネスパーソンもたまにいますが、ビジネスにおいてのコミュニケーションの目的は「相手の主体性を引き出し、喜んで行動してもらうこと」に尽きます。これは相手の行動をコントロールすることとは違います、相手が納得し、共感した上でこちらの要望を主体的に受け入れてもらうということです。


 よく上司が部下に対して、正論をぶつけて理解させようとしているシーンを見ることがあるが、ほとんどの場合、部下には全く響いていない。心の中では「わかっとるわい!」と思っていることでしょう。タイトルにも書いたように、正論というものは一般的な合理性があることなので上司の言っていることに間違いがあるわけではない。だが、コミュニケーションのスタート地点が「相手」ではなく「一般」になっていることが問題なのです。


 今日は相手を主体的に行動させる真のコミュニケーション力についてお伝えしていきましょう。


コミュニケーションのスタート地点を「相手の価値観」にするとは。

 「なんでこんな簡単なことができないんだ!先にやってしまえば済むことだろう!」と諭している上司。一つも間違ったことは言っていません、全くその通りでしょう。しかし、これでは人は動きません。部下がなぜこの簡単なことの優先順位をあげなかったのか、そこには必ず理由があります。 


 あなたが三日坊主になってしまったことを思い出してみてください、ダイエットや、筋トレ、語学の勉強などなんでもいいです。三日坊主で終わるのにも、必ずあなたの中で、やらなかった理由があるはずです。例えば筋トレであれば、「毎日腕立て・腹筋をやったらそれで終わりです。そんな簡単なことがなぜできないんだ?」と言われるようなものです。その通り正論なので、言い訳はできません。しかし、その時は、仕事で疲れているとか、家族がどうとか、何かしら自分にとっての「合理」があるわけです。それが一般的合理性からズレているかどうかは関係ない「個人の合理性」というものが存在するわけです。


 先程の上司が、「君の実力ならこの仕事はやればすぐに終わったと思うのだが、今日まで手をつけられなかった理由が何があるならば、教えて欲しい。何か困っていることでもあるのか?」と聞いてみると部下の反応は間違いなく変わるはずです。そこに何かしら理由があったのかもしれません、理由があったのであれば、それを理解し、その場合だったらこうしていこうという提案ができるでしょう。もちろん、ただサボっていただけの場合もあるでしょうが、それでも、この聴き方されたら、素直にサボりを認めて、すぐに行動するでしょう。


 どんなコミュニケーションも、必ず相手の価値観・合理性をスタート地点にしてあげることで、相手の主体性を引き出しやすくなります。


モテる人は相手の合理を受け入れる。

 男性でも女性でも、異性だけに限らず、人に好かれる人は知らず知らずのうちに、一般的には非合理に見える相手の合理を受け入れることができています。ゆえに相手は自分を理解してくれていると感じ、好感を持ちます。恋愛だけでなく、ビジネスシーンでも同様です。


 受け入れるとは、必ずしも肯定するという意味ではありません。いかに一般的合理性と違ったり、自分の価値観と違ったとしても「そういう考えもあるよね」という感覚で受け止めることです。恋愛でもビジネスでもモテない人はこれができません。モテない人は「それは違うんじゃない?だって普通に考えたら○○だよね」と否定してしまいがちです。


 一般的な合理性は言われなくてもわかっている場合がほとんどです。自分の合理を否定されると、同性でも異性でも同僚でも上司でも一緒にいるだけで疲れます。これが「正論バカ」が恋愛でも仕事でもモテない理由です。


 何度も言いますが、肯定はしなくてもいいのです、個々の合理性は時に肯定し難いもの、理解し難いものもあります。ただ、そういう合理性を持っているんだということ自体を否定せずに受け止めるというところがポイントです。


売れる営業マンは、交渉相手によって打ち手を変える。

 売れる営業マンと売れない営業マンの違いは、かなり色々な要素があるので、それはまた機会をみて別の記事にまとめたいと思いますが、今回のテーマである「相手の合理性」に関することを一つご紹介したいと思います。 


 これは私がとあるクライアント先のトップ営業マンと話をしている時に気がついたのですが、彼は交渉相手となる顧客側の担当者がどうすれば上司から褒められるか、社内での評価が上がるか、どうしたら出世するのかを全部言えるのです。会社ごとの評価制度や、担当者の上司のタイプなどが全部頭に入っているのです。


 自社商品を導入することで、相手の会社が期待している効果があるのは、どの商材・商品でも同じです。もちろんそれぞれ差別化要素があるのですが、それが決定打にならずに価格競争になる場合も少なくありません。そこで彼は会社にとってどんなメリットがあるかだけでなく、交渉相手にとってどうかというポイントをトークの中に折り込んでいくという。 


 結局最終的に決めるのは「人」であり、社内で猛プッシュしてくれるのも「人」です、彼は担当者が自然と自分の商材が選ばれるように動きたくなるコミュニケーションを意識しているのです。彼の顧客データには、課題やニーズだけでなく、その会社が評価制度や上司のタイプ、社長のタイプ、担当者の夢や目標なども詳細に打ち込んである。最終決済者を相手にセールスできないケースの場合は、担当者が社内で営業としての機能をはたす。商品やサービスがもたらす価値を並べるだけでなく、担当者個人が動きたくなる個人の合理を起点にして、担当者を自社の営業マンにしてしまうという。


 彼はトップセールスでありながら、ほとんど「値引き」をしないで売ってくる。そこにも顧客企業だけでなく、担当者という一人の人間の成功をも考えてコミュニケーションをしていることが一つの要因になっていると思われる。


正論では人は動かないと思っておこう。

 正論という一般的な合理性だけでは人は動かない、個人の合理性をしっかり理解して受け止めることが、ビジネスマンとして、人として、モテる、売れる、愛される要因になっているのは間違い無いでしょう。年齢を重ねると、どうしても経験からくる自分の合理性(正論)を相手にぶつけやすくなってきます。それをグッと抑えて、相手の行動に影響している相手の合理性をしっかりと受け止めて、そこを起点としたコミュニケーションをしていくことで、あなたの影響力は拡大していくことでしょう。


 またこれは対面での人との交流だけでなく、WEBサイト等を通じてセールスする際のコミュニケーションにおいても活かすことができます。是非一度ご自身のあらゆるコミュニケーションを見直してみてはいかがでしょうか。


最後にもう一度だけ言いますね、「正論バカ」はモテません!


 最後までご覧いただきありがとうございました。あなたの素晴らしい商品、サービスによって、多くの人が幸せになることを心より願っています。 ビジネスの無料相談等も受け付けておりますので、お気軽にご連絡ください 。

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