古澤慎之介
マーケター的、本屋さんの散歩術。
自社のビジネスを伸ばしていく際に、つい自社サービスの関連企業や顧客に目が行きがちがだが、これがマーケターとしての感度を鈍らせることがあります。マーケティング担当者は、自社サービスに関連していることだけでなく、マクロな視点から社会全体の動きや、人の関心事項がどうなっているのかを常にアップデートしてその潮流を肌感覚で理解しておく必要があります。
そしてそのマクロな視点からみた社会の動きや、人の関心ごとなどの流れから、自社の戦略が潮流から外れないようにしていくことが大事dになってきます。だから自分の中の肌感覚が古いままだと、戦略戦術も若干潮流からズレたものになってしまうのです。
そこでおすすめなのが本屋さんの散歩。私のマーケティングの師匠から教わった手法なのですが、結構これが役に立つのでシェアしてきたい。

昨今、本を買うのはもっぱらAmazon頼りになっており、本屋さんを訪れる頻度が減ったという人もいるかもしれない。確かにAmazonは便利で、私もよく使っている。レコメンド機能も精度が高くなってきているが、やはり思わぬ自分の関心ごととの発見や、意外性のある本との出会いは本屋さんに行く理由として十分だと思っている。
マーケターが最低でも月に1.2回は本屋さんを1時間以上歩く理由。
これにはいくつか理由があるので、一つずつ紹介していきましょう。
まず一つ目は「出版社のリサーチに恩恵に預かる」ということ。各種雑誌を発行している出版社は、読者が何を望んでいるのかを常にリサーチし、そのリサーチや企画の集大成としてアウトプットされるのが雑誌の見出しや特集記事だ。今世の中の人はどのような不安を抱えているのか、どのようなものが流行っているのか、どのようなことに憧れているのか、何がキーワードなのかなど様々なことがここから読み取れる。わざわざ自分でリサーチをしなくても、出版社が雑誌を売るためにやっているのだから、それに便乗させてもらう。
雑誌の良いところは、読者がしっかりとセグメントされていることだ。女性誌だけでも、ティーン向け、アラサー向け、主婦向けなどがある程度はっきりと分かれているし、さらにその中でも志向別で雑誌があったりする。どの雑誌がどの層のどのような志向を持つ人たち向けなのかさえ理解しておけば、そこに向けてどのような見出しで、特集を組んでいるのかを見れば、その層に対してフックになりそうな旬のワードなどがよくわかる。
女性誌だけでなく、高齢者向けの雑誌には今どんなネタがどんなキーワードで書いてあるのかということがわかるし、ビジネスマン向けにはどんな煽りをしているのかなど、雑誌コーナーでは出版社のリサーチの賜物と言える様々な情報が手に入る。
自分と違う性別・年代・違う価値観はファクトで捉える。
二つ目の理由は「実際にどんな人がどんな雑誌のどんなページを読んでいるか」ということを観察をするということ。
私は師匠から「自分と違う年齢、違う性別、違う志向の人の動向や価値観は、お前のフィルターがかかった想像ではなくファクトで捉えろ」と口うるさく言われてきました。確かに雑誌はしっかりターゲットがセグメントされているが、実際に自分の肌感覚に落とし込むには、その雑誌を読んでいる層をリアルな像として観察することも大事にしています。(覗き見されるのは気持ち悪いのはわかるのですが、何気なく後ろを通る感じで、ちょろっとだけ見ているだけなので、そこはどうか許してください。。)
この自分とは違う性別・年齢・志向が違う人が、どのような雑誌のどのような特集を読んでいるのかということを観察しても、即座にビジネスには活かせませんが、その自分の肌感覚としてストックしておくことと、常にそれをアップデートしておくことは結構重だと思っています。
マーケター的本屋の散歩術
マーケティングはどんなビジネスにおいても重要です。マーケターに限らず、私は上記の2つの目的を持って、本屋さんを歩いてみることはあらゆるビジネスマンにとってプラスに働くと思っています。即効性はありませんが、これを習慣化するだけでも、自分のアンテナの張り方も変わってくるのは間違いありません。
私は自分がスーパーで買い物する際にも、自分では絶対に買わないものを買っている人を見かけると、他にどんなものを買っているのかなと、つい目で追ってしまいます。これも自分と違う価値観や環境が違う人をファクトベースで捉えてストックしておくためです。
(若干キモい習慣だというのは自覚してます・・。)
まとめとして、マーケター的散歩術の流れをご紹介。
できれば都心の大型店で、人が多い夕方から夜の時間帯がお勧め。
頻度は最低月に1回くらいを目安。
他のお客さんに絶対に迷惑にならないように!
①まずはジャンル問わず全エリアを回る。
女性誌エリア、ビジネスエリア、投資エリア、参考書エリア、絵本エリア、囲碁や盆栽などの趣味のコーナーからスポーツにエロも無線も基本的に全部。雑誌が存在するということは間違いなくそこには何らかの市場が存在しているということなので、自分の関心事だけでは見えない市場の存在に気がつくこともできます。
②表紙をじっくりとチェック。
どのような特集が組まれているか、どんなワードを使っているかをチェック。
時間があれば、特集をチェック。
③どんな人が実際に立ち読みしているかをチェック。
雑誌は同じジャンルが一つのコーナーに固まっているので、そこにどんな感じの人が
立ち読みをしているのかを観察。(迷惑にならないようにチラッとね)
これらを意識しつつ、全体を回っていれば、書店がどんな本を押し出しているのか、売れ線はどの辺なのかなどの大きな流れも掴めるし、各セグメントがどのようなことに関心を持っているのかなども十分わかります。
こうして本屋さんを回っていると、何気なく手にする本を通じて、自分の意外な関心ごとを発見できたりするのも面白いですね、気がつくと本を2冊くらいレジに持っていっていることも多いです。自己対話の時間にもなっているんですね。
視野を広く、そしてマーケター的な視点を肌感覚を常にアップデートしておくために、簡単いできることなので、ぜひトライしてみてください。
あなたの素晴らしい商品サービスによって、多くの人が幸せになることを願っています。
最後までご覧いただきありがとうございました。ビジネスの無料相談等も受け付けておりますので、お気軽にご連絡ください